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息もできない

第19章 前回とは違うのです

「いいえ。田中さんのせいじゃないと思います。プロジェクトリーダーが不在ならこれぐらいの進度で当然かと」


俺が言うと田中さんはふ、と笑った


「ありがとう」
「それにして大崎さんはどこへ行ってしまったんでしょうか」
「それだねー。もうあっという間に夏休みじゃん」
「ですよね」


俺たちはそんな会話をしながら部署に戻った



ある日のお昼休み
圭太に誘われて一緒に食堂へ行くと

「今直と一緒に仕事してる大崎さんているだろ?」
「うん」
「あの人どこ行ったんだ?」
「ん?なんで?」
「俺たちの部署にも影響が出ててさ。俺も仕事増えてるんだよね」


そんなことがあるのか


「大変だね?」
「そりゃもう大変なんだけどさ。直の方はどうなんだよ?」
「うーん…俺の方はーー」


俺は一応プロジェクトの詳しい内容は伏せて、大崎さんがいないことで出てる影響について圭太に話した


「あー…なるほど…まぁそうだよな…」


圭太は俺もさーとまた愚痴を言い出す
俺にとっては愚痴を聞くことは別に苦ではなくむしろたくさんの人の情報が入ってきて楽しかった


あっという間に昼休みは終わり、圭太と別れる時間


「じゃあな、直また今度」
「うん、ばいばい」
「次は夏季休暇後だな」
「そうだね。体調崩さないようにね?」


俺が少しだけ労わると圭太は離れていた距離を嬉しそうに縮めて


「ありがと。直のそういうとこ大好き!」


と告げて行った


圭太!もう!
好きな人がいるならそういうこと俺に言うのやめなさい!!

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