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息もできない

第19章 前回とは違うのです

大崎さんは俺を見下ろしながら

「私はあなたのことを絶対に許さないし、負けないから!!春陽は私のものなんだから!」

と叫んで
俺を置いて公園を出て行ってしまった

1人残された俺は、大崎さんがいなくなったことで安心したのか両目から大粒の涙を流した


俺、最低

春陽のことが好きなら、泣いて縋ってでも春陽は渡さないって言えばいいのに

こんな時でさえ人に本心は見せたくない、無表情のまま感情を悟られないでいたいなんて考えて

大崎さんの前で泣けなかったし
まともに反抗することも、返事をすることさえ出来なかった


でも

俺は本当に春陽に愛されてるって実感が急になくなっちゃって
どうすればいいのかわかんなくて
だから

だけど


俺は春陽を信じよう
春陽が好きって言ってくれるその言葉を信じよう


春陽に拒まれるまでは、側にいよう


俺はそう心の中で誓って
景気付けに勢い良く立ち上がった


「俺だって、大崎さんには負けません…!春陽は俺のものなんだから」


と小さく呟いた

その声は静まり返った公園の闇に呑まれてなくなってしまったけれど、俺は自分の思いを再確認出来て決意新たに公園を後にした

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