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息もできない

第20章 大崎さんの

圭太に電話をした三十分後くらいに、俺はいつも圭太と待ち合わせをする駅前のコーヒーショップにいた

適当に注文したコーヒーを飲みながら、流れる人混みを眺める

暫くすると圭太がやってきた


「なーお、待った?」
「ううん。今来たとこ」
「嘘つけ。すげーコーヒー減ってる。ごめん」


圭太はいつの間に買って来たのかコーヒーを持っていて、俺の横に座った

「今日はどこ行く?」
「んー…どこ行く?」
「おい」


圭太は楽しそうに笑って俺の頭を軽く叩いた


「よし、じゃあ俺洋服買いたいから駅ビル見に行こうぜ」
「うん」


俺たちはその後コーヒーを飲みながら話したりしてからゆっくりとビルに向かった


「そういえば圭太、あの後黒澤さんとはどうなの?なにか進展した?」


俺がなんとなく思いつきで聞いてみると、圭太はすごく動揺した


「ぅ……え、と…」
「?」


圭太は視線を彷徨わせて、言葉も出せなくなって


聞いちゃまずかったかな…


最終的に圭太は顔を真っ赤にして俯いた


「ーーーー言えない………」
「えぇ!?そこまで引っ張っておいて言ってくれないの!?」
「いやだってほら…」
「なに」
「そ、そういえば直!大崎さんはどうなったんだよ?」


明らかに不自然な話題の転換だったけど、転換された内容に今度は俺が動揺する


大崎さんとのこと!?
なんて言えばいいんだろ…
全部、は言えないしなぁ
どうしよぉ

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