息もできない
第21章 そろそろ泣きたいのですが
「俺はあいつを自分の部屋に閉じ込めた」
大崎さんの口から一度聞いていたことだとは言っても本人の口から聞くのは衝撃的で
俺は今すぐ春陽を抱きしめたい、と思った
あぁ、さっきの春陽もこんな気持ちだったのか
「何より辛かったのは、あいつが…千尋が、それを笑顔で受け入れていてくれたこと。俺はそれを許されているんだって勘違いして、朗や周りに散々やめろって止められてもやめることが出来なかった」
そんなに、千尋さんのことが好きだったんだ
話を聞きながら、乾いた笑いがこみ上げて来て溢れそうになったのをなんとか抑えた
だって…
春陽の心に俺なんかが入り込む隙間なんてなかったから
春陽と千尋さんのつながりの深さに
勝てないって思っちゃったから
「俺が監禁してから半年が経とうとした頃、とうとう千尋の親が警察に相談した。今思えば遅いぐらいだ。………千尋の親はきっと俺だから、待ってくれていたんだと思う。俺たちは引き離されて、俺は朗に殴られて、ようやく気がついた。千尋が随分前から苦しんでいたことに。あいつは自分のせいで俺がって、自分を責めてた。…その証にあいつの手首にはたくさんの傷があって……俺はあいつの一番近くにいたのに気がつくことが出来なかった…」
大崎さんの口から一度聞いていたことだとは言っても本人の口から聞くのは衝撃的で
俺は今すぐ春陽を抱きしめたい、と思った
あぁ、さっきの春陽もこんな気持ちだったのか
「何より辛かったのは、あいつが…千尋が、それを笑顔で受け入れていてくれたこと。俺はそれを許されているんだって勘違いして、朗や周りに散々やめろって止められてもやめることが出来なかった」
そんなに、千尋さんのことが好きだったんだ
話を聞きながら、乾いた笑いがこみ上げて来て溢れそうになったのをなんとか抑えた
だって…
春陽の心に俺なんかが入り込む隙間なんてなかったから
春陽と千尋さんのつながりの深さに
勝てないって思っちゃったから
「俺が監禁してから半年が経とうとした頃、とうとう千尋の親が警察に相談した。今思えば遅いぐらいだ。………千尋の親はきっと俺だから、待ってくれていたんだと思う。俺たちは引き離されて、俺は朗に殴られて、ようやく気がついた。千尋が随分前から苦しんでいたことに。あいつは自分のせいで俺がって、自分を責めてた。…その証にあいつの手首にはたくさんの傷があって……俺はあいつの一番近くにいたのに気がつくことが出来なかった…」