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息もできない

第21章 そろそろ泣きたいのですが

春陽は悔しそうに歯を食いしばった

俺は春陽を傷つけるかもしれないと思ったけど気になっていることを聞いてみる


「………その後、千尋さんは?」


春陽は切なそうな瞳で俺を見てから、気まずそうに目を逸らした


「会ったのは、引き離された時が最後だ。……精神科にかかって、入院はしないまでも通院にはなったって聞いた」

「そっ…か…」



春陽は…やっぱり千尋さんに会いたいよね?

まだ、千尋さんのこと好きだよね?


…俺は、もう諦めるべきなのかな?



俺は震える口を開いた


「それじゃあ、大崎さんに迫られた時俺に相談しないで別れを告げたのは………」


深く深呼吸
そして、口を開いた


「……俺と別れる良い機会だった…から?」



惨めだなぁ
答えなんてほとんど決まってるようなものなのに

最後の最後まで、期待してる

そんなことないって
まだ好きだって言ってくれるのを期待してる


「千尋さんに会いに行く決心がついたから、間に合わせだった俺と別れたくて…それで、大崎さんが現れたから……………重い俺のこと、切りたかった?普通に別れを切り出したんじゃ…別れられない…から…?」

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