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息もできない

第5章 誰もいない朝

同じ部署の人に朝の挨拶をしながら歩く

今朝は結局朝ご飯を頂いて洗い物をしてベッドを綺麗に片してから置いてあったメモの端に『朝食とスーツありがとうございました』とだけ書き置いて家を後にした

あーぁ…何から何までお世話になって
あんなメモひとつで挨拶済ませるとか最悪
なりたてだけど社会人として情けない

はぁー…と溜息をついて
朝から大事にポケットに入れてきた店長さんの家の鍵を取り出して見つめた

あーぁ…どうしよ
そもそもあれって本気なのかな

朝のメモには昨日のことなんて一切書かれて無かったし…ただ、スーツの位置と鍵をどうするかぐらいしか

って、あれ………?
ちょっと待て

なんでまだ鍵持ってるの

まさか店長さんちの鍵持ったまま出社しちゃったー?


「…っ」

ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあああぁあ!
俺の馬鹿ぁぁぁあぁああぁあぁぁ!
何してんの何してんの何してんのぉぉぉ!?
人んちの鍵持ってきちゃったよ!

どーしよ、どーしよ…

もんもんと考えている間に始業のベルが鳴る

しっかりしろ!俺!
昨日ダメダメだった分今日取り返さなきゃいけないんだ!死ぬ気で仕事して定時に上がれば店長さんのお店が終わる前にマンションのポストに入れに行けるはず!

もうこうなったら昼休み返上で働いてやる!

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