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息もできない

第23章 今度は俺?

誰だろう?


画面をよく見ると確かに見たことがあるようなないような顔の気がする


俺が暫く考えていると無言が続いてしまってインターフォンの向こうから


『おい?』


と存在を確かめるような声が聞こえて来た

俺は慌てて春陽から受話器を受け取って話しかけた


「はい、谷口です」
『ぁ、谷口さん。遅くにすみません』


春陽に対してより少し丁寧になったような口調で青年は話した


「失礼ですが、どなたでしょう?」


俺が聞くと


『俺です。仁です』


仁…って…


「っあ!!」
「なに?直やっぱり知り合い?」
「うん。知り合い!」
『思い出してくれました?』
「ごめんね。今思い出した」


俺はスイッチを押してエントランスのドアを開けた


「部屋番号わかるよね?」
『はい』


インターフォンの前から人がいなくなって俺も受話器を置くと春陽が後ろから抱き締めてきた


「ん……春陽?」
「あいつ誰?」
「仁くんが来たら説明するね?」


春陽はまだ納得出来ないらしくて後ろから俺の首筋を甘噛みしてくる


「ちょ…っと……春陽…」
「………」


というか


「春陽も感謝しなきゃいけないんじゃない?」

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