息もできない
第23章 今度は俺?
俺が問うと直は俺の方に目を向ける
その目には少しの羞恥心が見て取れて、俺は察した
「あぁ、薬飲めないのか」
その可愛さに俺が微笑むと直はさっき自分の意見を受け入れてもらえなくてしかめていた顔をよりしかめた
「………馬鹿にしてる」
「してないよ」
「してる、もん……」
泣き出しそうに萎んでしまう直の声に俺は焦る
「昼間は?薬飲んだんじゃないの?」
「………飲んだ……」
「その時はどうやって飲んだの?」
「……圭太が、薬飲む用のゼリー買ってきてくれた、から……」
そこまで言って直は布団に顔を埋めた
「やっぱりこの年になってそんなのって情けないよね。圭太は昔から知ってるからなんにも言わないけど、仁くんにも笑われたし」
直の言葉に俺の心臓が大きく脈打った
わかってたはずなのにな
この家に誰かが入っていたことも
直が中野の作った料理を食べたことも
実際福山に家の中で会ったし
そもそもさっき俺だって中野が作ったお粥を食べさせたんだし
あぁでも
意識するとやっぱりダメだ
黒い何かが感情をじりじり塗りつぶして、俺が一方的に悪いのにも関わらず直を責めてしまいそうになる
独占欲
なんて、今の直に求めることじゃないだろ
その目には少しの羞恥心が見て取れて、俺は察した
「あぁ、薬飲めないのか」
その可愛さに俺が微笑むと直はさっき自分の意見を受け入れてもらえなくてしかめていた顔をよりしかめた
「………馬鹿にしてる」
「してないよ」
「してる、もん……」
泣き出しそうに萎んでしまう直の声に俺は焦る
「昼間は?薬飲んだんじゃないの?」
「………飲んだ……」
「その時はどうやって飲んだの?」
「……圭太が、薬飲む用のゼリー買ってきてくれた、から……」
そこまで言って直は布団に顔を埋めた
「やっぱりこの年になってそんなのって情けないよね。圭太は昔から知ってるからなんにも言わないけど、仁くんにも笑われたし」
直の言葉に俺の心臓が大きく脈打った
わかってたはずなのにな
この家に誰かが入っていたことも
直が中野の作った料理を食べたことも
実際福山に家の中で会ったし
そもそもさっき俺だって中野が作ったお粥を食べさせたんだし
あぁでも
意識するとやっぱりダメだ
黒い何かが感情をじりじり塗りつぶして、俺が一方的に悪いのにも関わらず直を責めてしまいそうになる
独占欲
なんて、今の直に求めることじゃないだろ