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息もできない

第23章 今度は俺?

俺は表面だけの薄っぺらい笑みを浮かべた


「そんなことないよ。味覚が敏感なのかな」


直の頭にぽん、と手を乗せた


「そのゼリーまだ残ってる?どこにあるの?」
「多分ね、その辺に置いてあるんじゃないかな」
「ここ?あー…あった」


俺はコップを台所に下げて代わりにスプーンを持ってきた
ゼリーと一緒に直に渡すと直はスプーンの小さな受け皿の上に上手にゼリーを乗せて錠剤を包む


うまく飲み込んで一息ついたところで直に近づいて背中を撫でる


「はい、お利口さん。それじゃあ寝ようか」
「うん」


背中を支えながら直を寝かせて布団を整える

氷枕を作って頭の下に敷かせて、直の額にキスをした


「おやすみ。直」
「春陽はどこに寝るの?」
「ん?ソファ」
「一緒に寝ようよ」
「うつったら困るし」
「さっきから何回もキスしてるのに?」


本当は考えたいことがあるからなんだけど
どうやって切り抜けようかな


「それに、俺まだ仕事残ってるから」
「仕事?」
「うん。発注とかしないと」



そんなのは副店長の隆に任せてある

でも、この嘘はバレない
仕事のことになんてつっこめるわけないってわかってる


「そ、か……仕事がんばってね」
「ありがとう。おやすみ」
「おやすみ」

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