息もできない
第24章 過去と現在
千尋が座ると俺たち3人の間に沈黙が流れる
どうするべきかと俺が手に汗をかきながら考えていると、千尋が沈黙を破った
「それで?私に用があるんでしょう?何?」
千尋は尚も微笑んだままでそう言った
まるで何もないただの友人に問うようなその言動に違和感はほとんど感じさせなかったが、その瞳には俺の話が何なのかわかっているような色が見える
千尋はもともと人の気持ちに敏感な奴だったからな
昔の、楽しかった記憶を思い出して僅かながら気が楽になった
「……謝りにきたんだ、千尋に」
俺が言うと千尋はやっぱりという顔をしたが、しらばっくれて問い返して来る
俺が話しやすいようにだろうか
「私に?」
「あぁ。…………あの時俺は、お前にろくに謝れなかったから……」
気が楽になった、とはいえ思い出すと全身が冷えるような感覚がする
しかし俺の気苦労とは裏腹に千尋はまだ微笑みを浮かべていた
「……あの時のことは、誰が悪いなんて言えないのよ。あなたも悪かったし、私も悪かった。両親も……それに、朗だって。でも、本当は誰も悪くなんてないのよ?」
「……」
「ハル。ハルは優しいから、ずっと自分を責めて来たんでしょう?……もういいの。むしろ謝るのは私の方」
どうするべきかと俺が手に汗をかきながら考えていると、千尋が沈黙を破った
「それで?私に用があるんでしょう?何?」
千尋は尚も微笑んだままでそう言った
まるで何もないただの友人に問うようなその言動に違和感はほとんど感じさせなかったが、その瞳には俺の話が何なのかわかっているような色が見える
千尋はもともと人の気持ちに敏感な奴だったからな
昔の、楽しかった記憶を思い出して僅かながら気が楽になった
「……謝りにきたんだ、千尋に」
俺が言うと千尋はやっぱりという顔をしたが、しらばっくれて問い返して来る
俺が話しやすいようにだろうか
「私に?」
「あぁ。…………あの時俺は、お前にろくに謝れなかったから……」
気が楽になった、とはいえ思い出すと全身が冷えるような感覚がする
しかし俺の気苦労とは裏腹に千尋はまだ微笑みを浮かべていた
「……あの時のことは、誰が悪いなんて言えないのよ。あなたも悪かったし、私も悪かった。両親も……それに、朗だって。でも、本当は誰も悪くなんてないのよ?」
「……」
「ハル。ハルは優しいから、ずっと自分を責めて来たんでしょう?……もういいの。むしろ謝るのは私の方」