息もできない
第25章 息もできない
俺は突然思いついた疑問をこの機会に春陽に聞いてみることにした
「ねぇ春陽」
「ん?」
「春陽は昔はふつうに女性が好きだったんだよね?千尋さんて彼女さんがいたわけだし」
春陽は俺が千尋さんの名前を出して気まずいのか、少し困ったような顔をしながら「そうだよ」と答えた
「それじゃあどうして、男の俺を好きになったの?」
俺の質問に春陽は驚いた様子もなく、ただ少し考えるような間をとった
意識し始めると、すごく気になるよね
だって俺が……その、所謂、ノンケ?の人の考え方を変えたってことになるんだよ?
そこまでする何かがあった?
俺が期待と不安のないまぜになった心持ちで春陽の答えを待っていると、ようやく考えの纏まったらしい春陽が静かに話し始めた
「ただ単に一目惚れ、かな」
「一目惚れ?」
「うん。最初直が田中さんに連れられて店に来た時は随分美人な人が来たな、くらいに思ってた。けど、俺のつくった料理を食べた時の顔が、妙に可愛くて……」
美しい思い出を語る時のような恍惚とした表情をして語る春陽に、嬉しい反面、嫉妬反面って感じ
自分に嫉妬するなんて、アホだなぁ
俺は心の中で苦笑した
「ねぇ春陽」
「ん?」
「春陽は昔はふつうに女性が好きだったんだよね?千尋さんて彼女さんがいたわけだし」
春陽は俺が千尋さんの名前を出して気まずいのか、少し困ったような顔をしながら「そうだよ」と答えた
「それじゃあどうして、男の俺を好きになったの?」
俺の質問に春陽は驚いた様子もなく、ただ少し考えるような間をとった
意識し始めると、すごく気になるよね
だって俺が……その、所謂、ノンケ?の人の考え方を変えたってことになるんだよ?
そこまでする何かがあった?
俺が期待と不安のないまぜになった心持ちで春陽の答えを待っていると、ようやく考えの纏まったらしい春陽が静かに話し始めた
「ただ単に一目惚れ、かな」
「一目惚れ?」
「うん。最初直が田中さんに連れられて店に来た時は随分美人な人が来たな、くらいに思ってた。けど、俺のつくった料理を食べた時の顔が、妙に可愛くて……」
美しい思い出を語る時のような恍惚とした表情をして語る春陽に、嬉しい反面、嫉妬反面って感じ
自分に嫉妬するなんて、アホだなぁ
俺は心の中で苦笑した