片想いの行方
第9章 星空の下で
「い、いいんですか…?」
嬉しすぎて、感動して、声が震える。
カナヅチって事が、まさかこんな展開になるとは……
「あぁ、もちろん」
蓮くんは微笑む。
「図書室からあんなにじっと見てるくらい、泳ぎたいんだろ?
それだけ強い思いがあるなら、絶対出来るようになる。
補習であんなに頑張ってた香月なら、大丈夫だよ」
そのキラキラとした笑顔と優しい言葉に、涙が出そうになる。
本来の理由は違うのが後ろめたいけど…
でも、泳げるようになりたい気持ちはずっと昔からあったから
こんな凄いことってないよ…。
「最初は7月の最後の週の日曜だから。
毎週じゃなくても来れるときでいいから、可能な日わかったら言って。
場所とかも教えるからさ」
蓮くんは、ポケットから携帯を取り出した。