片想いの行方
第11章 悩んで揺れて、また悩む
「それにしては、あんまり嬉しそうじゃないね」
「えっ?」
アンナの言葉に、あたしはハッと我に返った。
「蓮くんと2人きりになれて、番号交換もできた。
その上夏休みに会えることにもなった。
…それなのに」
アンナはあたしの顔をジッと見る。
「なーんかこの1週間元気が無いのは、後ろの席の男が影響してるのかしらー?」
「………アンナ……」
…ごめんね、アンナ…
あたし、この前の事を全部をアンナに話せてないんだ…
あたしは心の中で呟く。
蓮くんに彼女がいたこと。
その彼女がヒメの元カノだったこと。
ヒメはきっと彼女を取り戻したくて、あたしに協力してるってことも……。
いつもはなんでも相談していたアンナにも、誰にもこのことは話せなくて…
この一週間、ため息ばかり出ちゃってたな…