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片想いの行方

第15章 花火



自分の頬に一筋の線ができる。




ヒメの言葉が、あたしの頭の中で響いていた。




救いたい…幸せになってほしいと言った、そのヒメの真っ直ぐな想いは



蓮くんが大事だと言った、あの人だけに向けられている。



そのことが…


なぜかあたしの胸をぎゅうっと締めつけて、苦しい。



どうしてこんな気持ちになるの…?









「…!」



その時、ヒメの手があたしの頬に触れた。



「…………なんで泣くの」



花火に照らされたヒメが、あたしを真っ直ぐに見つめる。

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