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片想いの行方

第16章 治らない傷



「蓮さぁ…誰に対しても無駄に優しすぎるよ」



優香がため息をつく。



「そう? 優しいなんて言われたことねーよ」


「ウソばっかり。
特に女に対して甘過ぎだよ。
勘違いさせるのは逆に良くないんだからね」



優香は少し顔をしかめて、ペットボトルのお茶を口に含んだ。



…いつもの優香に戻って、俺は安心する。





「優香」





「なに?」






「……もう、体の震えは止まった?」

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