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片想いの行方

第16章 治らない傷

俺の言葉に、優香はペットボトルのふたを閉めて


ふっと小さく笑った。



「大丈夫よ。

蓮が隣りにいてくれたから。

ありがとう」



「……そっか」




優香の笑顔を確認した俺は、自分の水を飲む。




すると、優香が俺の肩にもたれかかってきた。




「…優香?」



「ごめん……やっぱりダメかも。

思い出すと…

体がドキドキして…怖い…」




俺は優香の肩を抱いて、もうひとつの方で小さな手を握り締めた。







……まだ、無理だ………







優香にはまだ……ヒメを近付けたらいけない。

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