片想いの行方
第20章 彼の勇姿
「ははっ、相変わらず凄いねーファンクラブの皆さん」
新藤さんが女の子のグループを見て笑う。
「ファンクラブ!?」
「うん、蓮の試合になると必ずいるよ。
美和ちゃんの学校の子達じゃないと思うけど」
た、確かに……
あの女の子達の顔は、学校では見た事が無い。
ライバルが校外にもいるなんて………
あたしは心がズーンと沈む思いだった。
「美和ちゃーん、ドキドキするね…」
あたしの隣りで、陽菜ちゃんがギュッと手を合わせている。
「うん………!」
あたしも陽菜ちゃんの真似をして、位置についた蓮くんを、祈りながら見つめた。
蓮くん……頑張って……!!
「……セット……………」