片想いの行方
第25章 動き始めた感情
………………
携帯を取り出すと、優香からの着信が何件も残っている。
試合までは当分休めないと優香に言っていたけど、寂しくて辛いと、繰り返しメールが届くようにもなっていた。
…俺も優香に逢いたい。
その気持ちはもちろんある。
それに、俺がいない間に、優香がまた “ あの状態 ” になることが心配だった。
俺と、優香と、ヒメの家は近いから、この前の夏祭りのように、2人がまた偶然会ってしまう可能性だって十分あり得る。
……放っておくなんてできない…。
俺は優香に明日が休みになった事を告げて
会う約束をしてから電話を切った。
………
だけど……
試合まであと1週間という重要な時期に、集中できていない理由は
優香の事じゃないのは、自分でもはっきりと分かっていた。