片想いの行方
第25章 動き始めた感情
2学期が始まった最初の日に。
部活の準備運動が終わり、プールに入ろうとした時。
いつものように、図書室から身を乗り出した香月の姿が目に入った。
…あいつ、本当に見るの好きなんだな……
そんな事を思いながら目線をプールに戻そうとした時
「…………!」
香月の後ろに、ヒメがいるのに気付く。
香月の髪を触るところまで、俺ははっきりと見えてしまった。
そして、2人は窓を閉めて、そのまま図書室の中へ消えていった。
あの2人…………
もしかしたら、本当に付き合ってるのか………?
だとしたら、ヒメはもう優香の事は諦めたってことになる。
それより
俺が何よりも気になっている事は、ひとつだけだった。
香月は、ヒメの事が好きなのか………?
それなら、学校のプールでなぜ俺に…………