片想いの行方
第25章 動き始めた感情
…………………………
「……ん。 蓮ってば」
ハッと我に返ると、俺の肩に寄りかかっていた優香が呼んでいた。
「ごめん、何?」
「もうっ。せっかく2人きりなのに、今日ぼーっとしてばっかりじゃない。
今もう終盤だけど、全然頭に入ってないでしょ?」
俺の手をとって、ぷくっと優香が膨れる。
土曜日の午後。
俺は優香の部屋で、のんびりと過ごしていた。
ソファに並んで座ってDVDを見ている間、優香は俺の腕を握ったり、膝の上に寝転んだりして、何度も呼んでいたらしい。
俺はその度に空返事ばかりしていたから、とうとう優香の機嫌が悪くなってしまった。