片想いの行方
第25章 動き始めた感情
「…優香。
めちゃくちゃ可愛いけど、今日はだめ」
彼女の頭を撫でると、ふうっとため息をつかれた。
「じゃあ、最後までしなくていいから。
いちゃいちゃするのもダメ?」
「あのね、優香といちゃいちゃしたら、最後までしたくなっちゃうんだよ」
「…そうなの?」
優香の顔が少しだけほころぶ。
「そうだよ。
健康的な17才の男子なんだから。
だからあんまり煽らないで」
そうなんだーとクスクス笑いながら、優香は俺の膝の上に頭を乗せて寝転んだ。
少し機嫌が良くなったことに、俺はほっと胸をなで下ろした。
……本当は
この部屋で、優香を抱くのには抵抗がある。
女の子らしい明るい部屋でも、俺にとってここは居心地が悪かった。
あの時のように、部屋のドアからヒメが現れる気がして
鉢合わせしたあの光景が、フラッシュバックしてしまうから……