片想いの行方
第25章 動き始めた感情
「……!」
俺は優香を見る。
優香は笑顔で続けた。
「私、今までも結構我慢してきたよ。
逢えない日が多くても、仕方ないって、寂しい気持ちを抑えてたの。
だから……
今回くらい、私のお願いを聞いてもらってもいいでしょ?」
優香が俺の手を握った。
……優香の意見もよく分かる。
だけど………
「………ごめん。
今回は……休んだりできないんだ。
俺は………」
「たかが高校生の水泳でしょ?」
言葉の途中で、優香が低い声で言った。
「……!」
「別に蓮が出なくたって大丈夫なんでしょ?
それに、蓮まだ2年生じゃない。
どうしても出たかったら、来年出ればいいだけの話。
私、蓮の彼女なんだよ?
…断るなんて、ひどいよ」