片想いの行方
第25章 動き始めた感情
「……………」
優香はその後も、今まで俺が水泳だけに集中しすぎて、周りの事を全然考えてないと言い続けていた。
……確かに、その通りなのかもしれない。
普通の学生同士の彼氏と彼女なら、放課後に寄り道したり、土日にデートをしたり
きっとそれがあたり前なんだ。
ヒメと付き合っていた頃を思い出して、優香はそれと比べているのかもしれない。
…でも………
「…俺さ、今度の都大会で
本気で優勝を狙ってるんだよ。
去年より、断然その決意が強いんだ」
優香が水泳に興味が無くても、俺はそれでも良いと思っている。
だけど……
水泳の顧問やコーチ、同じ頂点を目指している部活の仲間。
新藤さんや、声を嗄らして応援してくれる、陽菜、スクールのみんな。
そして…………