片想いの行方
第28章 目を覚ませ
「何なんだよお前は!
人の事をとやかく言う前に自分を何とかしろよ。
優香に近付いたり、香月のことだって………」
「美和がどうしたって?」
俺の話の途中で、ヒメが遮る。
「さっきも言っただろ。
美和はたまたま俺の後についてきただけだ。
だいたい俺と美和のことに、蓮に何の関係があるんだよ」
「…………」
挑発するヒメの目をみて……
俺はなるべく平常心を保とうと、声のトーンを抑える。
「…優香にまだ未練がありながら、香月に気を持たせてるのが気に入らない」
「気を持たせてなんかねーよ」
「持たせてるだろ!
あの図書室で………
その気がねーなら思わせぶりなマネするな。
…お前のそーいう惑わすような態度が、香月を傷付けるんだ」
「…惑わせてんのは、てめーの方だろ」
「………!」
ヒメの顔色が変わったと思った瞬間
バキッ…………!!!
殴られた衝撃で
俺は自転車と共に地面に転がった。