片想いの行方
第30章 1番好きな人
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「またここかよ」
図書室の1番奥まで進むと、ヒメがだるそうにあくびをした。
「…だって、他に人が少ないところって思いつかないから…」
あたしは周りをキョロキョロと見渡す。
今日は休館日では無いけれど、この付近は専門書ばかりだから、あたしとヒメの他には誰もいない。
いつも蓮くんを見ている窓から離れて、あたしは本棚を背にして立った。
ヒメは近くにある1Pのソファに足を組んで腰掛ける。
「……ヒメ、あたしね…」
ぎゅっと自分の手に力を入れて、あたしは口を開いた。
「明後日の日曜日、都大会が終わったら…
蓮くんに告白する」