片想いの行方
第30章 1番好きな人
アンナからの話を聞いて。
今までの事を、思い出して。
……あたしは、蓮くんが好き。
その想いは、昨日逢いに来てくれた本人を見て、揺るぎの無いものになっていた。
「優香さんがいるのは分かってるけど。
それでも…
あたしは蓮くんが好き。
自分に正直になって、蓮くんに気持ちを伝えたいの。
それを……ヒメに先に言いたくて……」
ちらっとヒメを見ると。
ヒメは無表情のまま、窓の外を見つめていた。
……なんか言ってよ……
「あ、あの……」
あたしが1歩ヒメに近付くと、ヒメはあたしの方は見ないまま口を開いた。
「いいんじゃない?」
「…え?
あ……う、うん……」
そ、それだけ……?
まぁ、いいけどさ……