片想いの行方
第30章 1番好きな人
「……………っ」
言葉が出ない。
……ヒメ……
あなたはアンナに口止めしたつもりだろうけど
あたしは知ってるんだよ……
あたしに協力してくれたのは、優香さんを取り戻す為じゃなかったってこと……
「なんだよ、もっと嬉しそうな顔しろよ」
何も言わないあたしを見て、ヒメはあたしを下から見上げる。
「緊張してるなら、俺が今ここで解いてやろーか?
あの時みたいに、この手で」
「………! ばか…!///」
あたしが思わず叫ぶと、ヒメはふっと笑った。
……いつも冗談ばっかり言うから……
アンナが話してくれなかったら、ヒメの本当の想いは分からないままだったよ……