片想いの行方
第35章 いつかのお返し
「あったかーい♡ 美味しい!」
甘いカフェラテをひと口飲むと、身体中にじんわりと暖かさが広がる。
夜の7時になって、一段と外は冷えていた。
これだけ寒いから、あたし達の他には誰もいない。
蓮くんはブラックのコーヒーを飲みながら、あたしの首元を見た。
「美和、さっきまで巻いてたマフラーは?」
「…あ! そういえば研究室に忘れてきちゃった!」
「………相変わらずおっちょこちょいだな」
蓮くんはコーヒーを横に置くと、自分の首からマフラーを取る。
そして、ふわっとあたしに巻きつけた。
「……! 蓮くん、あたし寒くないから大丈夫だよ」
「寒いだろ。いいから付けてなよ」
「で、でも……蓮くんが風邪ひいちゃうよ」
「じゃあ、温めて」
蓮くんはあたしの手からカフェラテを取ると
そのままベンチに置いて
あたしをぎゅっと抱きしめた。
「ほら、やっぱり体冷えてんじゃん。
………無理するなよ」
「…………っ///」