片想いの行方
第36章 心からの笑顔
「……だけど俺は……
ヒメの声が聞こえてきたり、クラスの奴らがヒメの話題を持ち出すと
美和が切ない表情になるのを、ずっと見てきたんです。
……あいつはやたら目立つし、友達も多いから。
美和の辛そうな顔を見る回数も多くて。
その度に俺も、苦しかった」
新藤さんは何も言わずに、黙って俺の話を聞いてくれている。
……頭の中に、美和の笑顔が浮かんできた。
「……美和は、俺の事をいつもキラキラした目で見てくれて……
どんな時も、真っ直ぐに俺を応援してくれた。
……そんな美和を……ずっと傍に置いておきたくて……
きっと無理をさせてしまったんだ。
………心残りがあるとすれば……
1年もの間、美和の本当の笑顔を無くしてしまってた事だと思います」