片想いの行方
第38章 最後に、もう一度
「強がりじゃなくて事実だから。
特待生のくせに頭わりーな」
俺が笑うと、蓮は表情を変えた。
「……そうだ……
その衝撃的な事実の方が問題だ。
……なんでお前が俺と同じ………」
「言っとくが俺はマジメに受験勉強して、実力で合格したんだよ。
どっかの誰かみたいな、一芸さんじゃねーから」
「……! てめー…!」
蓮が一気に飛びかかってくる。
「えー?
蓮、 ヒメがお前と同じ大学って知らなかったのー?」
呑気にジュースを飲み、座ったままの中野が口を開いた。
蓮は目の前に立ち、俺を睨みつける。
「……なにが一芸さんだ。
部活と勉学の実績だ、当然の結果だろ。
3年間遊んでたお前と一緒にするな」
「うるせータコ。
それでも受かった俺の方がどー見ても優秀だろ。
いつまでも1番気取ってんじゃねーよ」
中野のため息が
リング上のゴングに聞こえて。
俺と蓮は、同時にお互いの制服を掴んだ。