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片想いの行方

第42章 もうひとつの世界

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「ごめんなさい。 遅くなりました」



「あれっ、美和ちゃん。

そんなに息切らして……走ってきたの?」




午前9時30分。



肩で息をしながら、自分の席に着いた私に



斜め前の席から、入社が2つ上の先輩、奈々さんが顔を覗かせた。





「電車の遅延でしょ?
美和ちゃんと同じ方面の子、まだ来てないよ。

いつも早い出勤なんだから、こんな時くらいゆっくり来ても良かったのに♡」



奈々さんがニカッと笑ったので、私もつられて微笑んだ。




「ありがとうございます。
でも、確か発注溜まっちゃってましたよね」



「はっっ! そうなのよ!
さっきも追加オーダー入ってさ~~。
この時期だから駆け込みばっかで嫌になるわよねー!」




奈々さんはぶつぶつ言いながらも、また自分のパソコンへと体を戻す。



私も自分のパソコンを開いて、30分の遅刻を挽回するべく、画面に向かった。

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