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片想いの行方

第42章 もうひとつの世界

「あ~そういえば~」



歩き出した私の後ろから、奈々さんが口を開く。



「今日ね、うちらの部署とは直接は関わらないけど

中途採用で入ってきた人が、朝礼の時に挨拶しに来たんだよ」



「中途採用?」




こんな時期に珍しいな…


不思議に思って振り返ると、奈々さんは満面の笑みになっていた。




「所属されたのは、あの花形のMDチームなんだけど。

どうやら、どっかからヘッドハンティングされて来たらしいんだよね。

しかもそれだけじゃなくてさ~~♡



もう超~~~~イケメン!!」





キャッキャと興奮した姿に、私も思わず顔が綻んでしまう。



奈々さん、結婚してるのに恋する乙女みたいで可愛いなぁ。




「……MDならフロアも違うし、今後その人を見る機会は無さそうですね」



「そうだよね~。

あとは社食でバッタリを狙うとかね。
あれは待ち伏せしても見るべきレベルだよっ!


美和ちゃん、遅刻で会えなくてホント残念だったね~」





奈々さんの言葉に、私は小さく微笑んだ後




再び出口に向かって足を進めた。

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