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片想いの行方

第42章 もうひとつの世界





エレベーターで最上階まで上っていく。



オフィス街に連なるビルの中でも



うちはアパレル大手だけあって、ひと際モダンなガラス張りの建物で



多くのグリーンを敷き詰めたこの屋上は、この複合ビル内の社員なら、誰でも休憩できるスペースになっている。



お昼の時間から少しずれているのと、厚い雲で覆われた空からは、雨が降ってきそうな気配もあって


周りにはぽつりぽつりとしか人がいない。





私はゆっくりと屋上の端に向かうと、景色が一望できるベンチに腰を下ろした。




「………………」




冷たい風が、私の頬に触れる。




1つだけ入ったお弁当を、ランチバックから取り出したけど




私はその蓋をあけることなく、空に目をやった。



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