片想いの行方
第45章 あの頃とは違う
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夜の8時。
パソコンの電源を落として、帰り支度を始めていた時だった。
「おい、そこの腹キュルキュル女」
「………………!?」
その言葉に、私の部署の全員が一斉に注目する。
フロアの入り口に立っていたその男は
私が顔を上げるとニッと笑った。
「助けてやった命の恩人に、挨拶のひとつも無いのかよ。
いつからそんな薄情な女になり下がったわけ?」
「……なっ……!!」
思わず椅子をガタっと引いて、勢いよく立ち上がる。
ちょ、ちょっと……!
い、いきなり現れて何言い出すのよ~~~!!
「あれ~~超絶イケメンくん……じゃなかった、姫宮くん!
昨日のスーツと全然感じが違うから、一瞬分からなかったよ」
ヒメの姿を見て、奈々さんが近付いていく。