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片想いの行方

第45章 あの頃とは違う

「どうも、奈々さん。

昨日はあの女がすみません」



「きゃっ♡ 奈々さんだなんて♡♡

その声で呼ばれただけで、胸がキュンキュン……


って………


う~~ん……」



ヒメの前に立った奈々さんは、上から下へと目線を動かし、その全身をまじまじと見つめた。



「………流石だわ」



「……………」



私も後ろからそっと近付いて、ヒメを見る。




………これは……確かに………





うちの会社は私服勤務で、特にどんな格好をしても問題ない。



この業界だけあって、みんなオシャレなんだけど。



………この男の服のセンスは、明らかに群を抜いていた。




オレンジのダウンベストに、カーキのボーダーカットソー。


黒のスキニーデニムも、長い脚であることでピタッと決まっていて


シンプルだけど、体のラインがキレイだからカジュアル過ぎに見えないし……





文句なしのパーフェクトなコーディネートに、思わずため息が出る。

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