片想いの行方
第45章 あの頃とは違う
「素敵ね。
ショップマネージャー全員に、おんなじ格好させたいわ」
「ありがとうございます」
奈々さんの褒め言葉を聞いて、ヒメはニコニコと笑う。
周りの同僚達もヒソヒソと会話をしながらヒメを見て、その姿に見惚れていた。
唖然として声が出ない私に、ヒメがもう一度声をかけてくる。
「昼休憩くらいかなって思ってたけど、結局来ねーし。
まぁ、腹減ってぶっ倒れるくらいなんだから、昼メシは大事なんだろうけど……」
「…!! ちょ、ちょっと来て……!」
その言葉を遮り、私は自分のバッグを持つと
ヒメの腕を引っ張って、フロアの外へと急いだ。
「じゃあね~♡ 姫宮くん。
今度は私も話の仲間に入れてね~」
奈々さんの声を背中に受けながら
私とヒメは会社を出て、エントランスまで下りていった。