片想いの行方
第45章 あの頃とは違う
「……そろそろ腕離してくれない?
痛いんですけど」
「……………!」
ヒメの言葉に、私は慌ててその腕から自分の手を離す。
エントランスを抜けて入口の端っこまできたから、会社の人にも気付かれないだろう。
「………ヒメ………」
ドキドキする心臓を抑えて、私はヒメを見上げる。
……な、なんかまた背が高くなってる………
「いきなりあんな呼び方するなんて……!」
「事実じゃん。腹グーグー女」
「……!な、なんかさっきと微妙に違うし……///
とにかく、変なアダ名つけるのやめてよ」
……そういえば、昔もストーカー女とか言われてたな………
短い間にそんなことを思い返していると
「……!」
ヒメの右手が私の頬に触れた。