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片想いの行方

第46章 朝の7時と、夜の9時

一条さんは、黒い大理石の扉にもたれかかる。



「口先だけでは何とでも言える。

その認識と行動を共にしてもらいたいものだね。


……あぁ、こうしてる間にもう4分も無駄にした」





腕時計を見て大きなため息をついた彼に


私は顔を上げて口を開いた。




「……ごめんなさい。

もう、絶対に遅刻したりしません。

今日は金曜で明日は休みだから、良かったら土日の分も作りますので……」




「今日は帰ってくれ」






彼はそう言って一度玄関の中に入ると、少ししてからまた私の前に戻ってきた。





……目の色が、濁っている。




………まずい………






「本当に、ごめんなさい。

来週月曜日からは、もっと早く来るようにします。

朝も、長く居られるように………」




怖くて、声が震える。




………とにかく、彼の怒りを鎮めたい。

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