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片想いの行方

第51章 制裁



……あの日、私はその言葉をすぐに撤回した。




ヒメの優しさについ甘えて、心の叫びを声に出してしまったけど




自分の犯した罪に、誰かを巻き込もうとしたことが恥ずかしくて




自分1人の問題だからと、彼にはそれ以上何も言わなかった。




………ヒメもそれ以上は何も聞いてこなかったけど




私はあの日、ヒメと一緒に過ごせた事で



この現実で、久しぶりに心が温かくなるのを感じたんだ。





………嬉しかった。





これ以上望んではいけないのに





またあの頃のように、素直な自分に戻れた気がした。








それと同時に





なぜこうなってしまったんだろうって




後悔することも多くなって、その時の場面を振り返る事も増えてきた。







……一条さんが怪我をしたあの日





私は…………?

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