片想いの行方
第6章 ドキドキする理由
「そうなんだ。 一緒に買い物中?」
「は、はい、そうです」
「そっか、いいね」
女の人は、優しく笑ってあたしを見る。
わぁ…、本当に笑顔が素敵な人だなぁ……。
女の人なのに、胸がドキドキしちゃう。
色白の首もとに、ターコイズのネックレスがキラッと光っていて、品があるって感じ。
「姫宮くんは私服のセンスがいいし、色んなお店を知ってるから、一緒に買い物すると楽しいよね」
「は、はい…… 、…あの…?」
あたしの戸惑った表情を見て、その人は気付いたように笑った。
「ごめんね、名乗らずにこんな話をして。
あたしは……」
「優香」