片想いの行方
第6章 ドキドキする理由
「……!」
やっとヒメが口を開いた。
「俺、話すことねーから。
もうこの辺にしてくれない?」
「…ヒメ………?」
どうしたんだろう。
ヒメは怖い顔をして、一度もその人の方を見ない。
なんだかすごく、拒絶してる感じ…。
「うん、邪魔してごめんね」
ヒメが目を合わさないのに、その人は笑顔のまま続けた。
「たまたま通りがかっただけだけど、偶然姫宮くんに逢えて嬉しかったわ。
また、前みたいに話ししたいし、いつでも連絡してきてね」
そして、あたしの方を向いた。
「いきなりごめんね。
私、優香っていいます。 えっと……?」
「あっ、 あたし…、 香月 美和です」
「美和ちゃんかー。 可愛いね」
えっ…///
か、可愛い…?
そんなこと初めて言われたー!!