片想いの行方
第6章 ドキドキする理由
「ばか。 お世辞に決まってんだろ」
赤くなって照れてるあたしに、ヒメが冷たく言った。
「わ、わかってるもんっ!」
もー、こーゆう時もバッサリ言うんだからっ!
遠慮しない男だなー。
あたしがプリプリ怒っていると、優香さんはクスクス笑った。
「仲良しなんだね。
嬉しいなぁ、姫宮くんにこんな可愛い仲間がいるって分かって、安心した」
「……もう行けよ」
「うん。 じゃあまたね」
優香さんは長いウェーブのかかった髪を、ふわっとなびかせて去って行った。
素敵だなぁ。
本当はあんな風な髪型にしたかったんだけどなー。
あたしはそのキレイな後ろ姿がメイン通りに消えるまで、うっとりとして見つめていた。
……それにしても。