片想いの行方
第54章 再会
蓮くんの笑顔を見るだけで、胸が苦しくなる。
「……でも……!
一条さんのお父さん、蓮くんの会社の上の人なんでしょ?
そんなことして……」
「ヒメから聞かなかった?
俺はそいつよりも、さらに上にいるお偉いさんの方と繋がってるから、全然問題ないよ」
蓮くんは笑いながら続ける。
「俺さー、女よりも男にモテるんだよね」
「……!///」
「しかもオッサン受けがいいのなんのって。
結構危ないお誘いもあるから、上手な断り方まで覚えちゃったよ」
………言葉が出てこない私の頭に
蓮くんがぽんっと手を乗せた。
「……まぁ、さすがに直接交渉したわけじゃないよ。
海外にいる方が多いから、何かと時間も割けなくて。
社内の先輩や他の人脈も使って、徐々に知らしめた感じ。
一条の一族は、元々もっとヤバイ事に手を出してて、今回のことよりも大きなことが発覚したみたいだから。
最後の方は、俺も知らない制裁が進んでた」