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片想いの行方

第55章 変わらない“2人”



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「………いねぇし」





時計台の下に着いたのは、当初の予定から30分後。


アクセサリーショップの女の店員が、俺に話しかけてばかりでなかなか手を動かさないから





結局大遅刻。





時計台の周りを一周してもいない。


電話もしてんのに、全然出ない。




「…………………」




何となく胸騒ぎがする。


メールでは、いつまででも待つとか言ってたから、怒って帰ったわけではないと思うけど。



……こんな寒い中で、待たせる自体ありえねーよな……






いや……まさか……





一条……………?





「…………………っ」






嫌な予感がして、俺は電話を鳴らしたまま、さらに周りに目を向けた。




すると




ここから100メートルくらい先の広場に、大きなクリスマスツリーがあって




その周りに人集りができている。




俺は祈るような気持ちで、その広場へ向かって走り出した。


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