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片想いの行方

第63章 2人の蓮

ズキっと痛む胸を抑えて、俺は再び後ろに振り返った。



……今はとても、美和と蓮の話を聞く気にはなれない。



駅の方向に向かって進もうとすると






「……私、蓮くんとはサヨナラしたの」





美和が静かに口を開いた。





「……………!」



「ちゃんと伝えてきたの。

自分の本当の気もちに気付いたから、蓮くんと一緒にはなれないって。

……蓮くん、分かってくれた」








俺がゆっくり振り返ると


美和は真っ直ぐに俺を見つめた。










「…………好き」







「……………!」









「……私は、ヒメが好き。




それをすぐに伝えたくて。




ずっとここで待っていたの」

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