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片想いの行方

第64章 片想いの結末



悲しいけど。


この男の口から、好きとか、愛してるとか


そんな言葉を聞けること自体、最初から望めないって分かってる。




だから!

せめて!




『可愛い』くらいは言ってくれてもいいんじゃないかなって思って


淡い期待を抱いてショップに入ったのに。



『ダサい』『似合わない』って………



………昨日、何度も私を抱きながら、私の事ずっと欲しかったって言ってましたよね?

全然そんな感じしませんけど!?





「………………」




私の心の声は届くはずもなく、ヒメは少し先に出て歩き続ける。


さっきから、通り過ぎる女の子の視線を集めて……




………こーなったら、もうヤケだ!





「ヒメ!」






私が後ろから呼んだので、ヒメは立ち止まって振り返った。






「今着てるこのコートはどう?」


「……普通」


「じゃあ、私は!?」






深呼吸して、私は続ける。





「服じゃなくて、私自身の事はどう思う?」

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