片想いの行方
第67章 ☆立場逆転
………はぁ?
聞いてねーし!!
俺だけ知らないのか!?
「……へぇ。
でもあいつ彼氏いますよ」
表面で冷静さを装って、事実を拡散させるべくそう告げたけど
俺の願いも空しく、リーダーは続けた。
「相手が誰かは分からんそうだけど。
恋人がいるってのは、みんな承知の上でらしいんだよね」
「………は?」
「俺はその香月さんを見たことが無いんだけど。
にこーって笑う笑顔がたまらないんだとさ。
それに皆やられちまうらしい」
「…………!」
「ほら、あのデザイナーの松下なんて、もうメロメロらしいぞ」
ニヤニヤ笑うリーダーが後ろに指を向けた先に、俺はぐるんと体を振り返らせる。
デザイナーチームの1番手前に、ヘッドホンを付けて鼻歌を歌い、タブレットをいじる姿が目に入った。
見た目俺と同じ年くらいだ。
……あのやろ~……
彼氏持ちが承知の上だと!?
クズかてめーは。
人のもんに手を出す暇があったら、もっといいデザイン描けよボケ!!
「お前、そんな子と同級生なんて羨ましいよ。
なんだか青春みたいで楽しいよな~♪
若い頃を思い出す」
リーダーは笑いながらそう言うけど
俺は会話してる余裕なんてないくらい、頭に血が昇っていた。
すると、その時