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片想いの行方

第67章 ☆立場逆転



「なぁ、もうバラしちまおーぜ」




屋上に他に誰もいないのを確認してから

呼び出された用件を聞く前に、俺は先に口を開いた。




「……え?」

「俺、彼女が誰かって聞かれまくるんだよ。
そろそろ、言ってもいいんじゃね?」




美和の首元に光る、星のネックレスを確認して。

俺はその答えを待つ………までもなく




「それは、ダメ」




はい、予想通りそっこー却下。

この提案は付き合った時から言ってんだけど、美和は首を縦に振らない。




「別によくね?
他にも社内恋愛してる奴いるじゃん」

「他の人とは違うの。
バラした途端に、私殺されるわ」

「んなわけあるか」

「あるのっ。
この社内だけで、どれだけヒメのファンがいると思ってるの?」




美和はいつも通りの会話のように、淡々と返してくる。




……はぁ、こいつ全然分かってねぇな。



俺が言いたいのはそこじゃねーんだよ。



俺とお前は、今では完全に立場逆転しちゃってるわけ。



自覚の無い美和に、俺はため息をついた。

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