片想いの行方
第67章 ☆立場逆転
正直、リーダーからさっきの話を聞く以前から
俺は美和が劇的に可愛くなったと感じていた。
一条のバカのせいで、本来の姿を封印していたけど
解放されてから、美和は瞬く間にその笑顔を取り戻した。
それだけじゃない。
童顔なのにイイ体してるし、メイクや服のセンスもかなり良くなったし。
あ、後半は完全に俺の力のお陰ね。
10年分の想いを吐き出すように、逢う度に抱いてるから。
そりゃ女の色気も増すってもんだ。
「お前が殺される前に。
俺が刺されるから大丈夫だ」
「……………?」
美和はポカンとして、首を傾げる。
本当は、俺が守ってやるって言いたいんだけど。
相変わらず、美和の前では素直になれない。
「ねぇ、そんなことより。
私の話を聞いてよ」
「……………」
そんなことってレベルの話にされちまう時点で
お前と俺の温度差、すごくね?
「………なんでしょうか」
俺は拗ねた顔をして聞くと
美和は少しだけ顔を赤らめた。
「………鍵、貸して?」