片想いの行方
第1章 2人の蓮
「……あっ、えっと………」
本棚の間に真っ直ぐ立った彼が、あたしを呆れた目で見ていた。
背が高くて、細くてすらっとした体。
サイドを少し刈り上げて、フワッとしたウェーブが揺れる髪。
夏の日差しに照らされて、茶色くキラキラ光っていた。
ていうか髪だけじゃなくて、ピアスとかブレスとか、色々光ってる。
かっこいい人だなぁ…
しばらくその姿に目を奪われていると、彼がもう一度口を開いた。
「…独り言言ってたり、ため息ついたかと思えばいきなりガッツポーズしたり。
香月 美和…
頭大丈夫?」